「エンディングノートってどんな時に役立つの?」「具体的に何を書いたらいいの?」など、エンディングノートについて気になっていませんか?
エンディングノートとは、やがて訪れる自分の最後を見つめながら、家族へのメッセージや相続について、死後の希望など、さまざまな思いを書き残しておくノートのことを指します。
今回は、終活アドバイザーとして300人以上の終活をサポートしてきた筆者が「エンディングノートの役割」や「おすすめの書き方」、「具体的なメッセージ」などについて以下の順に紹介していきます。
この記事を最後まで読めば、エンディングノートの「役割」や「書き方」、「種類」なども分かり、エンディングノートを自分らしく書き始めることができます。
1. エンディングノートとは何か?
エンディングノートとは、一言で言えば「自分の最後に向けて、自分と家族のために書き記すノート」のことです。
自分の人生の歩みや成果について記したり、残された家族が戸惑わないよう遺品などについて書き残していきます。
ここでは、エンディングノートについての必要性やメリット、知っておくべきことについて、以下の6つのポイントを見ながら説明していきます。
- 家族の負担を軽減することができる
- 家族に感謝の気持ちを伝えることができる
- 自分の人生の歩みを記すことができる
- 自分の死後の希望について残すことができる
- 人生を見つめ直すキッカケにもなる
- エンディングノートに法的な効力はない
1-1. 家族の負担を軽減することができる
エンデングノートに、自分が大切にしてきたモノや資産、重要な書類の収納場所を記しておけば、残された家族が遺品整理にあれこれ戸惑う負担を軽減することができます。
そのほかにも、葬儀や相続に加えて、保険や年金などの手続きが発生します。これらを生前に整理してまとめておくことで、さまざまな負担を減らすことができます。これは、ノートを残す最大のメリットでもあります。
生前整理についても詳しく知りたい方はこちら!:「生前整理の始め方ガイド|そのメリットや進め方、コツなどを徹底解説」
1-2. 家族に感謝の気持ちを伝えることができる
年齢には関係なく、自分にもしものことがあった時に、家族をはじめ、友人やお世話になった方へ「ありがとう」という感謝の気持ちを確実に伝えることのできる手段にもなります。
これまでの感謝の気持ちや愛情を示したメッセージは、届けられた人の心を癒し、これからの人生の支えにもなるはずです。
1-3. 自分の人生の歩みを記すことができる
自分の人生は自分にしか書き残せないものです。残された人が見たときに、あなたがどんな人物であったのかを伝えることができるほか、これまで培ってきた知識や教訓も残していくことができます。
自分は「どんな人生を送ってきたのか?」「どんなモノやコトが好きだったのか?」「どんな仕事をしてきたのか?」など、自分にとってのさまざまなことを自由に書き記しておけます。
1-4. 自分の死後の希望について残すことができる
エンディングノートを活用することで、自分が意識不明になった時や最期を迎えた時にも「自分の最後の希望」を確実に伝えることができます。
たとえば「終末期医療や介護の希望」をはじめ、「葬儀についての希望」や「形見分けについて」、あるいは「ペットの世話について」などを記すことで、あなたらしく人生を締めくくることができます。
1-5. 人生を見つめ直すキッカケにもなる
自分の人生の歩みを書き記したり、家族への感謝のメッセージを綴ったり、これまで大切にしてきたモノとの思い出を振り返ることは、これまでの「自分の人生を見つめ直す」ことにもつながります。
人生についてゆっくりと俯瞰して見ることができ「人生の価値」を再発見できるはずです。さらに、これからの人生についてもポジティブな気持ちで過ごすことができるようになります。
1-6. エンディングノートに法的な効力はない
エンディングノートを書く際に注意しておきたいことも挙げておきます。それは、エンディングノートには「法的な効力はない」という点です。
そのため、相続などについて自分の希望を遂行するためには「法的な効力のある遺言書」と併せて用いることをおすすめします。そうすることで無用な家族の争いを防ぐこともできます。
遺言書の書き方について詳しく知りたい方はこちら!:「もう迷わない!種類別遺書・遺言書の書き方と全知識」
2.自分らしいノートの書き方ガイド
終活への第一歩として人気のエンディングノートですが、実はその書き方に特に決まったルールはありません。
「自分はどんな人間だったのか」といったことや、「家族や友人への感謝の気持ち」などについて、自分らしく自由に書き残せば良いわけです。
ここからは、エンディングノートを「自分らしく書き残すため」に知っておきたい、おすすめのテクニックについて紹介していきます。
それでは上記の6つのポイントについて詳しく見ていきましょう。
2-1. 心に伝わるメッセージを
エンディングノートは、何から書きはじめてもいいですし、何を書いても特に問題はありません。最も大切なことは「心を込めて書く」ことです。
また、文章はあまり得意ではないという方は、次の3点を意識して書いてみると良いでしょう。
- 誰に伝えたいのか?
- 何を伝えたいのか?
- どうしてほしいのか?
心を込めて丁寧に書かれたメッセージは、必ず読み手の心に伝わるものです。あまり難しく考えずに取り組んでみてください。
2-2. あなたを近くに感じるメッセージを
エンディングノートを書き進める際のコツとして「普段から使い慣れた言葉」で書くことをおすすめします。使い慣れた自分の言葉で綴ることで、その思いが読み手により伝わりやすくなるからです。
自分の言葉を綴るためのポイントとしては、次の3点を意識すると良いでしょう。
- リラックスしている時に書く
- 伝えたい相手の顔をイメージする
- 素直な気持ちを言葉にする
文章とは、自分の考えや感情を可視化するものです。自分の言葉で綴ったメッセージは、あなたをより身近に感じられるものになるでしょう。
2-3. 書き始めたらやっておきたいこと
エンディングノートを書きはじめたら、まずやっておきたい大切なことがあります。それは「エンディングノートを書きはじめた」ということを家族の誰かに伝えることです。
エンディングノートを書きはじめたら次の2つのことを行いましょう。
- エンディングノートの置き場所を決める
- 家族の誰かにノートの収納場所を伝えておく
ノートの存在を家族の誰かがして知っていれば、もしもの時に必ずメッセージを届けることができます。
2-4. ノートを最後まで書き切るために
エンディングノートをしっかりと書きあげるためのコツとして、単なる作業として書くのではなく「自分にとっての楽しみ」として書き進めていくことが大切です。
エンディングノートを書き切るために、次の3つのポイントを意識してみてください。
- 自分が書きたいと思った時に書く
- 書きたいこと・書きやすいことから書く
- 書きやすいと感じるノートを選ぶ
エンディングノートには想像力と時間が必要です。家族の笑顔をイメージしながら、楽しみながら書き進めていってください。
2-5. より良いノートを書きあげるために
エンディングノートは、一度書きあげればそれで終わりというわけではありません。時間が経ってから考えが変わったり、状況が変わっているという場合もあるため「定期的に見直すことが大切」です。
ぜひ、次の3つのポイントを参考に、定期的な見直しを行ってみてください。
- 半年・一年ごとに見直す
- 考えや状況が変わったら見直す
- 書いた日付を残しておく
定期的に書き足したり、修正を加えたりすることで、より思いのこもった個性的なノートを書きあげることができるでしょう。
2-6. キャンバスノートでも作れる
エンディングノートには、使いやすい市販のタイプをはじめ、さまざまなスタイルがあります。加えて、真っ白なノートに筆の進むままに記していく「オリジナルスタイル」という手もあります。
オリジナルのエンディングノートを作る際には、次の5つのポイントを意識してみてください。
- エンディンノートと分かるタイトルを記す
- 書きたいことを書きたいページに自由に書く
- 各項目ごとに見出しを分かりやすく付ける
- 書き足すことを考えてページに余裕を持たせる
- 一冊にこだわる必要はない
一からノートを作ってみたい人はぜひチャレンジしてみてください。多少、形が不格好になっても、あなたの個性が生きたノートは、残された家族にとっても特別な遺品となるでしょう。
3. 自分と家族のためのメッセージ15選
エンディングノートに書き記しておきたいメッセージは、遺品整理や資産といった「残された家族の負担を軽減できるもの」や、葬儀など「自分の死後についての希望を記したもの」などが中心となります。
ここでは、自分と家族のために「これだけは押さえていきたい15のメッセージ」をピックアップしてみました。これさえ知っておけば、きっと満足のいくノートが残せるでしょう。
下の表にある「自分史」や「デジタル遺品」など、気になる項目をクリックすると、それぞれの詳しい説明を見ることができます。ぜひ参考にしてみてください。
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自分自身について | 自分のこと |
自分史 | |
終末医療や介護の希望 | |
大切な人へのメッセージ | |
遺品について | 遺品整理 |
必要な手続きについて | パスポート・免許証・健康保険証 |
年金 | |
生命保険 | |
公共料金 | |
銀行口座・クレジットカード | |
デジタル遺品 | |
相続について | 遺言書の有無 |
資産 | |
葬儀について | 葬儀についての希望 |
お墓について | お墓の有無 |
3-1. まず自分について書いてみる
エンディングノートには、まず自分の情報について記していきましょう。自分の名前や住所、家族構成などについて書き進めていきましょう。
そのほかに、特技や趣味、好きな食べ物について記してみるのも、残された人があなたについてあらためて知る機会になるかもしれません。
- 名前
- 生年月日
- 血液型
- 住所
- 本籍
- 家族構成
- 趣味 など
3-2. 自分史を書いて人生を振り返る
「自分史」とは、自身の人生をゆっくりと振り返り、これまでの歩みを文章として書き記すことです。この作業をすることで、人生を見つめ直すことにもつながり、人生の後半戦を前向きに生きていくことができます。
また、自分の人生を書き残すことは自分にしかできないことです。これまで培ってきた知識や経験を記し、次の世代に残していくこともできるでしょう。
- 幼少期~小学校~中学校~高校~大学
- 就職~結婚~出産
- 家族との思い出
- 子供の成長
- 学歴や職歴 など
3-3. 終末期医療や介護についての希望
自分が元気なうちに終末期の医療についても希望を残しておきましょう。たとえば、回復の見込みがない場合に「延命措置」をおこなうかどうか、「臓器提供」を希望する場合にはその意思を示しておく必要があります。
また、介護が必要になった場合についても、自宅での介護を希望するのか、施設での介護を希望するのかなどを記しておくと良いでしょう。
- 延命治療を希望する・しない
- 臓器移植をする・しない
- 献体をする・しない
- 自宅での介護を希望する・しない
- 施設での介護を希望する・しない
- かかりつけの医師・病院
- 既往歴・持病
- アレルギーの有無
- 常用薬
3-4. 家族や友人たちへ感謝の気持ちを伝える
これまで歩んできた人生で得た感動や幸せ、学びや教訓など、一つひとつを思い返しながら、家族や友人への「感謝の気持ち」を心を込めて綴ってみてください。
さらに、友人や仕事関係の方にメッセージを残す場合には、家族の方から伝えてもらえるように希望を残しておくと良いでしょう。
- 妻へのメッセージ
- 子供へのメッセージ
- 孫へのメッセージ
- 両親へのメッセージ
- 親戚へのメッセージ
- 友人へのメッセージ
- お世話になった方へのメッセージ など
3-5. 大切なモノの収納場所や処分について
自分の遺品について 書き残しましょう。「自分が最後まで残したいと思ったモノ」や「これからも家族に大切してもらいたいモノ」などの収納場所をまとめておけば、遺品整理の負担が少なくなります。
そのほかの遺品についても「すべて処分してほしい」「リサイクルできるモノは売ってほしい」など、処分についての希望を記しておくと良いでしょう。
- 最後まで残したいと思ったモノの品名・収納場所・処分方法
- 家族に引き継ぎたいモノの品名・収納場所
- 価値の分かりずらいモノの解説・おおよその金額・処分方法
- そのほかの遺品の処分方法 など
3-6. パスポートや免許証、健康保険証などについて
あなたの身元を証明する「運転免許証」や「健康保険証」、「パスポート」や「マイナンバー」などについて、その番号や収納場所についてまとめておきましょう。
また、健康保険証は入院の際にも使うため、必要な場合にはあらかじめ収納場所を家族に伝えておくと良いでしょう。
- 運転免許証の番号・収納場所
- 健康保険証(介護保険証・後期高齢者医療保険証)の記号・番号・収納場所
- パスポートの番号・収納場所
- マイナンバーの番号・カードの収納場所 など
3-7. 年金について
「年金」については、「個人年金」や「企業年金」も含めて、実際にどのような年金に加入しているのか、エンディングノートで全体像を把握できるようにまとめておくことが大切です。
また、年金は本人の死後に届け出る必要があるため、残された家族が困らないようにしておきましょう。
公的年金
- 基礎年金番号
- 年金支払い口座
- 年金受取り口座
- 年金手帳等の収納場所
- 社会保険事務所の所在
- 国民年金基金・厚生年金基金など基金名 など
個人年金・企業年金
- 年金保険の名称
- 会社名・連絡先
- 担当者名
- 証券番号
- 契約者・被契約者・受取人
- 払込終了年月日・年金開始日・年金額
- 保険証書・契約印の収納場所
3-8. 生命保険をはじめ、加入保険すべてをまとめておく
現在、加入している保険についてもきちんと整理してまとめておきましょう。保険の存在について家族が知らず、結果として保険金が支払われないケースもあるため注意が必要です。
残された家族のためにも「生命保険」をはじめ、「医療保険」や「火災保険」、「地震保険」や「自動車保険」など、あらゆる損害保険について書き記しておきましょう。
- 保険会社名
- 支店の連絡先・担当者名
- 保障内容
- 契約者・被保険者・保険金受取人
- 証券番号・証券の収納場所
- 保険期間・保険料支払期間・保険金額 など
3-9. 公共料金の引き落とし情報
自身の名義で利用している「電気」や「ガス」、「水道」といった料金の支払いがある場合には、その会社名や引き落とし口座についての情報をまとめておきましょう。
これまで契約者であった方が亡くなった場合には、早急に契約を解約するか名義変更する必要があります。
- 電気料金の会社名・連絡先・引き落とし口座
- ガス料金の会社名・連絡先・引き落とし口座
- 水道料金の引き落とし口座
- インターネット関連の会社名・連絡先・引き落とし口座
- 携帯電話の会社名・連絡先・引き落とし口座 など
3-10. 銀行口座やクレジットカード情報を記入
銀行の口座や預金額ついて記すことは、資産の整理にもつながります。たとえば、使っていない不要な口座を解約したり、自分の全預金額について把握しやすくなります。
また「口座番号」や「預金の種類」などを記入したほうが家族も手続きをしやすいですが、もしもに備えて「暗証番号」だけは書かないことをおすすめします。
さらに「クレジットカードの情報」についてもまとめておくと、あとで手続きしやすくなります。
- 銀行名・支店名
- 普通・定期
- 口座番号
- 預金額
- 預金通帳や印鑑、キャッシュカードの収納場所
- クレジットカードの会社名・連絡先・引き落とし口座 など
3-11. デジタル遺品の情報をまとめておく
「デジタルデータ」の遺品整理は、そもそもPCやスマホのパスワードが分からなければ操作することもできない厄介な代物です。
さらに、保存されているデータの処分方法や、ホームページやSNS、ネットオークションといった「デジタルアカウント」についても、整理しやすいようにまとめておきましょう。
- PCやスマホ、タブレットなどのパスワード
- PCやスマホ、外付けHDDなどの処分について
- ホームページやブログのID・パスワード
- LineやSNSのID・パスワード・追悼アカウントへの希望
- ネットショッピングやオークションのID・パスワード
- 動画など有料サイトのID・パスワード
- メールのID・パスワード など
3-12. 遺言書の有無と種類について
相続について自分の意思を示す「遺言書」の有無を記しておきましょう。
さらに、遺言書がある場合には、その種類についても書き残しておくと良いでしょう。また「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」の場合にはその収納場所も記しておきましょう。
- 遺言書の有無
- 遺言書の種類(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)
- 自筆証書遺言と秘密証書遺言の場合はその収納場所
- 遺言書作成に携わった専門家の名前・連絡先
- 最寄りの公証役場の連絡先
3-13. 自分の資産についてまとめておく
自分の資産について、エンディングノートに書き残すことはとても大切です。なぜなら、あなたが残した遺産さんについて、家族の方が一から調べるという負担がなくなるからです。
銀行の「預貯金」をはじめ、「不動産」や「株」などプラス資産の一覧をしっかりとまとめておくことで、スムーズな相続にもつながるはずです。
また、資産についてはプラス面に加えて、「負債」や「ローン」、「借金」の有無についてもしっかりと書き残しておきましょう。
- 預貯金のある銀行名・支店名・通帳などの収納場所
- 有価証券の届出書・報告書など関連書類の収納場所
- 不動産の登記済権利書の収納場所
- そのほかの資産の収納場所(車・宝石・金・骨董品)
- 負債・ローン・借金の有無
- 年金 など
3-14. 葬儀についての希望を残す
葬儀についての希望がエンディングノートに書かれていると、家族の負担は間違いなく軽減されるものです。ぜひ、わかりやすく大切なことを記していきましょう。
たとえば「葬儀をするのか?」「どんな葬儀にするのか?」「喪主は誰にお願いするのか?」あるいは「葬儀費用について」など、その内容は多岐に渡ります。家族の方と相談しながら書くのも良いでしょう。
- 遺影写真の有無
- 葬儀をする・しない・家族にまかせる
- 葬儀の規模(家族葬・一般葬・密葬・火葬のみなど)
- 葬儀の形式(仏式・神道式・キリスト教式・無宗教など)
- 葬儀場の希望がある場合(自宅・寺・斎場など)
- 焼香や献花の希望(伝統的焼香・献花など)
- 戒名を希望する・しない・持っている
- 親族や友人などの名前・連絡先・関係性
- 喪主を依頼したい人の名前・連絡先・メッセージ
- 施主を依頼したい人の名前・連絡先・メッセージ
- 弔辞を依頼したい人の名前・連絡先・メッセージ
- 費用について(資金の有無・詳細) など
3-15. お墓の有無について
お墓がすでにある場合には、たとえ家族の方が知っている場合でも、あらためてその詳細についてまとめておきましょう。
また、菩提寺やお墓がまだない場合には「永代供養納骨堂」や「合祀の永代供養塔」なども視野に入れて、希望する納骨形式を記しておくと良いでしょう。
- お墓の有無
- お墓の名前・連絡先・住所
- お墓がない場合の希望(菩提寺・霊園墓地・永代供養納骨堂・合祀の永代供養塔など)
- 墓石についての希望
- 海洋散骨や樹木葬などの希望
- お墓、墓石がない場合の費用について など
メッセージの書き方についてもっと詳しく知りたい方はこちら!:「エンディングノートの書き方ガイド|家族に残したい30のメッセージ」
4. 年代別に見るエンディングノート活用術
人の人生とはさまざまです。そのため、エンディングノートを書き始めるタイミングについても、年齢などは関係ありません。
自分の気持ちをしっかりと家族に伝えるために、幅広い年代の人たちが、エンディングノートの執筆に取り組んでいます。
ここからは、それぞれの年代別に考える、より良いノートの使い方について紹介したいと思います。
4-1. 20代・30代は「未来」のために
立て続けに起こる自然災害や人的災害、突然死やウィルス感染など、「漠然とした不安」に備えて、エンディングノートを書き始める若者が増えてきています。
実際、20代や30代でも何が起こるかは誰にも分かりません。「家族へのメッセージ」を残すことはとても大切なことです。加えて20代・30代の場合には、特に「自分史」について書くことをおすすめします。
自分のこれまでの人生を書き記すことは、将来を見つめ直すキッカケにもなるからです。忘れていた夢や目標を再確認し、これからやってみたいこともたくさん見えてくるはずです。
20代・30代のノート活用術
- 自分史について書く
- やりたいことリストを作る
- デジタル遺品のID・パスワードをまとめる
- 家族への感謝のメッセージを書く
4-2. 40代・50代は「もしも」のために
仕事や子育ても充実し、ライフスタイルも定まってくる40代・50代のエンディングノートでは、家族という視点からさまざまなことを残す必要があります。中でも、起こるはずのない「もしも」に備えておくことをおすすめします。
今の生活を俯瞰してみて、メッセージを残しておかないと「家族が戸惑ってしまいそうなこと」を意識してみてください。
具体的には、資産や遺品について、葬儀や各種手続きなどについて分かりやすく記しておくと良いでしょう。
40代・50代のノート活用術
- 免許証やパスポートなどの番号や収納場所を書く
- 預金や株といった資産や大切な遺品の収納場所を書く
- 公共料金など手続きが必要なものについてまとめる
- デジタル遺品のID・パスワードをまとめる
- 親戚や友人などの連絡先をまとめる
- 葬儀やお墓についての希望を残す
4-3. 60代・70代は「自分の最後」のために
子育てや仕事なども一段落して、第二の人生を歩き始める60代・70代では、これからの新しい目標を書き出してみることも良いでしょう。しかし、それとは反対に「自分の最後」について、書き残しておくことがより重要になってきます。
もしも「大きな病気なってしまったら?」「介護が必要になってしまったら?」「延命治療はするのか?」といったことをしっかりと書き残しておくことをおすすめします。
60代・70代のノート活用術
- 終末期医療や介護の希望についてまとめる
- かかりつけの医師や病院の名前や連絡先を書く
- 既往歴や持病、アレルギーの有無をまとめる
- 葬儀やお墓についての希望を残す
- 不動産も含め資産についてまとめる
- 遺言書の有無や相続について記す
さらに、年代別の終活のついても知りたい方はこちら!:「終活はいつから?最高の終活をするための全知識を世代別に解説!」
5. おすすめのエンディングノート3種
一般的なエンディングノートの書き方は手書きです。そのため、キャンバスノートなどに書き込んでいけば「オリジナルのエンディングノート」を作ることも可能です。
さらに、終活に関わる企業などが無料配布しているノートや、書きやすくアレンジされた市販ノート、スマホアプリなどに書き残していくこともできます。
ここでは「無料のエンディングノート」、「市販のエンディングノート」、「スマホアプリのエンディングノート」に分けて、その特徴を紹介していきます。
5-1. 無料のエンディングノート
無料のエンディングノートには、ネットでダウンロードするものと、郵送してもらうものがあります。どちらも費用をかけずに始めることができるため、はじめてのエンディングノートにおすすめです。
ネットでダウンロードする際には、プリントして手書きで書くことも、PCで書くことも可能です。ただし、PCで書く際には、最後にプリントして、家族に収納場所を伝えておくと良いでしょう。
「終活のお手本」のエンディングノート
「小さなお葬式」のエンディングノート
「小さなお葬式」のエンディングノートは、葬儀の仲介サービスとして知られる「小さなお葬式」が無料配布しているノートです。葬儀についての資料を請求した人にもれなくプレゼントしています。
「自分の基本情報」や「資産」について、「終末期医療や介護の希望」、「葬儀やお墓について」、「遺言について」など、必要な基本情報を書きやすくまとめた一冊です。
無料のエンディングノートについてもっと詳しく知りたい方はこちら!:「無料で使えるエンディングノートを紹介|迷わない書き方を徹底解説」
そのほかにも、終活に関わる企業や市町村、セミナーなどで無料配布している場合があります。
5-2. 市販のエンディングノート
エンディングノートの普及に伴って、書店でもさまざまなタイプのノートを選べるようになりました。「女性に配慮」したものや「機能性を重視」したノート、「自分史」や「相続」に特化したものまでさまざまあります。
価格は1,000円前後のものが多く、ネットでも手軽に購入することができますが、書店で「自分が書きやすい」と感じたものを選ぶことをおすすめします。
もしもの時に役立つノート
『もしもの時に役立つノート』は、文房具メーカーとして知られるコクヨから発売されているエンディングノートです。入院や相続などの際に、家族が困らないよう情報を分かりやすく残しておけます。
資産情報をはじめ、医療や介護、相続や年金、葬儀やペットについてなど、残しておきたい基本情報を網羅しています。また、思い出の写真や動画を記録したCD-Rを1枚収納できるケースが付属します。
一番わかりやすいエンディングノート
『一番わかりやすいエンディングノート』は、終活セミナーでの3,000人の受講者の声をもとに、そのノウハウを一冊にまとめたものです。
終活の流れに合わせて構成されているため、順番に書き込んでいけば、誰でも迷わずにノートを書きあげられます。さらに、暗証番号などを保護する「スクラッチシール」や「マル秘カード」が付属します。
プレシャス・エンディングノート ~私の大切なノート~
『プレシャス・エンディングノート~私の大切なノート』は、テレビ出演でお馴染みの大渕愛子弁護士が監修を務めており、大切な記憶をたっぷりと書き残せる「女性のニーズ」に応えた一冊になっています。
自分を見つめなおす「大切な記憶」をはじめ、家族や友人への「大切な思い」、資産や個人情報をまとめる「大切な記録」、連絡先をまとめる「大切なひと」、医療や葬儀の希望を記す「もしものとき」の5部構成で、自由な感覚でまとめられるよう配慮されています。
市販のエンディングノートについてもっと知りたい方はこちら!:「エンディングノートの書き方ガイド|家族に残したい30のメッセージ」
このほかにもさまざまなエンディングノートが発売されています。価格や内容をよく吟味して、自分に合ったものを選んでください。
5-3. スマホアプリのエンディングノート
普段からスマートフォンを利用する機会の多い人には、エンディングノートのスマホアプリをネットからダウンロードするという手もあります。
紙と違って写真や動画を一緒に残せたり、簡単に修正もできるので、手書きが苦手な人でもノートを綴っていくことができます。また、ここで紹介する2つのアプリはどちらも無料となっています。
エターナルメッセージ
『エターナルメッセージ』は、各項目ごとに設けられた質問に答えていくだけで、終活に必要なメッセージを簡単に書き残すことができます。
さらに、文字に加えて、家族のための動画を2本まで収録できるほか、写真アルバムも作成することができるので、日々の思い出を写真とともに残しておくことができます。
はいから100年ノート
『はいから100年ノート』は、シニアライフを応援する情報誌『はいから』が運営しているエンディングノートアプリです。
シニア世代を意識したシンプルで使いやすい操作性を実現しており、メッセージを文字や写真、音声でも残しておくことができます。
ただし、利用している方が亡くなった場合、ノートの情報開示を求めるには、30,000円(税別)の手数料が発生します。
スマホアプリはいつでもどこでも思った時にメッセージを残せて便利ですが、家族の負担を減らすための情報は別に考えて、紙で残しておくことをおすすめします。
まとめ
ここまで、エンディングノートの「おすすめの書き方」や「具体的なメッセージ」、「おすすめのノート」などについて見てきましたが、いかがだったでしょうか。
エンディングノートは、残された家族の負担を軽減するために書き残すものです。そして、自分がどんな人生を歩んできたのかを次の世代に伝えるためのものでもあります。
この記事を参考にして、思いの伝わる、あなたらしいエンディングノートを書き始めてください。
さらに、エンディングノートだけでなく、終活についてもっと知りたいという方は「終活はいつから?最高の終活をするための全知識を世代別に解説!」も読んでみてください。
この記事があなたの終活に役立つことを心から願っています。
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