生前整理の始め方ガイド|そのメリットや進め方、コツなどを徹底解説

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生前整理

「生前整理っていつ頃がタイミングなの?」「具体的にどんなことをしたらいいの?」など、生前整理のやり方について気になっていませんか?

生前整理とは、自分が生きているうちに死後について考え、残された家族が遺品や財産の整理に困らないよう身辺を整理することを言います。

ここでは、終活アドバイザーとして300人以上の終活をサポートしてきた筆者が、生前整理の必要性やメリットに加えて、生前整理がはかどるサービスなどについて以下の順に紹介していきます。

  1. 生前整理とは自分と家族のために必要なこと
  2. 知っておきたい生前整理の6つの進め方
  3. 終活の一環として生前整理を開始!
  4. 生前整理がはかどる2つのコツ
  5. 親との生前整理を考える

この記事を読めば、生前整理を効果的に行う方法をはじめ、生前整理のメリット、おすすめのサービスなども知ることができます。ぜひ最後までご覧ください。

1. 生前整理とは自分と家族のために必要なこと

生前整理とは、自分の最後と向かい合いながら身辺の整理をすることとは少し違います。残された家族が行う遺品整理や相続といったことも意識しながら行う身辺と財産の整理のことを言います。

また、生前整理のほかに遺品整理という言葉がありますが、生前整理は生きてるうちに本人が行うのに対して、遺品整理は本人が亡くなってから遺族が行うものを指します。

ここでは生前整理の必要性について、下記の3つのメリットを紹介しながら考えてみたいと思います。

  • 遺族が行う遺品整理や遺産相続の負担を軽減できる
  • 心機一転して、より充実した人生を送れる
  • 財産を再確認することで、遺書を残しやすくなる

1-1. 遺族が行う遺品整理や遺産相続の負担を軽減できる

生前整理を行うことで得られるメリットのひとつとして、残された家族の負担軽減が挙げられます。

「自分が残したいと思うモノ」を選んだり、「資産などについて再確認」ができたら、その収納場所をメモなどに書き残してください。

そうしておくことで、自分が残してしまった遺品や財産などについて、遺族があれこれ戸惑いながら整理するといった手間を省き、相続問題のトラブル回避にも役立ちます。

1-2. 心機一転して、より充実した人生を過ごせる

生前整理によって、自身がこれまで一緒に過ごしてきたモノとの関係性をあらためて見つめなおし、「自分にとって本当に必要なモノ」や「家族に残したいモノ」、「不要なモノ」を仕分けます。

部屋の中がスッキリとすることで、落ち着いたシンプルな暮らしを取り戻すことができるはずです。

また、モノとの関係性を見つめなおし、人生を振り返ることから、思わぬ気づきを得たり、心機一転することもできるはずです。

1-3. 財産を再確認することで、遺書が残しやすくなる

生前整理に取り組むことで、財産や遺品など家族に残したいモノを再確認し、遺書として残しやすくなります。

つまり、家族に引き継いでほしいモノの収納場所や、価値のある骨董品などの解説などは、エンディングノートに残しやすくなります。

さらに、財産の相続については、遺言書として残しやすくなり終活もはかどることになります。

このように、自分の身の回りの財産について再確認し、整理しておくことは、残された家族への負担軽減につながり、自身のこれからの人生にも良い影響を与えてくれるものなのです。

2. 知っておきたい生前整理の6つの進め方

ここからは、生前整理を効率よく行うための6つの進め方について解説していきます。

ただ漠然と整理するのではなく、しっかりとルールを決めて行うことで「自分にとって本当に大切なモノを残す」ことができるはずです。それでは、生前整理の進め方について見ていきましょう。

2-1. 効率よく捨てるためのルールを決める

生前整理で大切なことは、あまり悩まずに不要なモノを見極め大切なモノだけを残していくことです。そのために、あらかじめルールを決めてロジカルに捨てていくことをおすすめします。

ここでは、“捨てるかすぐに決められる6つルール”をリストアップしてみました。

<捨てる決心がつく6つのルール>

  • 1年以上使っていないモノ
  • 目にしたときに心が動かないモノ
  • 2個以上あり、使い道が同じモノ
  • 壊れたり破れたりしているモノ
  • もう一度買いたいと思えないモノ
  • 人には見せられないモノ

このルールを参考にすれば不要なモノをスムーズに仕分けできるはずです。

2-2. やりやすいところから段取りを決める

家の中のモノを整理する際には、点数が少なく「必ずやり切れるアイテムやエリア」からはじめると、達成感を得やすく、効率よく進めることにもつながります。

そのため、服や本、リビングといった大物は後に回して「靴~鞄~ジュエリー」または、「玄関~冷蔵庫~食器棚」といった具合に順番を決めながら進めていくと良いでしょう。

2-3.アイテムごとにまとめてから一気に仕分ける

整理するアイテムを決めたなら、まずは一か所にすべてのアイテムを出し、一気に仕分けをしましょう。エリアごとに仕分けをする場合は、すべてのアイテムを一か所に出し、同じカテゴリーでまとめてから行ってみてください。

基本的には、自分が「最後に本当に残したいモノを選ぶ作業」「家族に引き継ぎたいモノを選ぶ作業」と捉えて行ってみると良いでしょう。

2-4. 迷ったら、決断は先延ばしOK

あれこれ整理をしていると、理屈抜きで自分の人生と直結してしまうようなモノと遭遇する時があります。

モノとの思い出を考えすぎると手も止まってしまいます。どうしても今すぐ捨てる決心がつかない場合には、決断を先延ばしにしてみるのもひとつの手です。

その際には、保留ボックスなどを設けて、あらためて考えてみると良いでしょう。後悔が残らないように、思い出のあるモノとはしっかりと向き合ってください。

2-5. 人生の整理には時間がかかるもの

生前整理を進めていくには、なるべく悩まずに作業を行うことがコツですが、これまでの人生を整理していく作業でもあるため、あまり急ぐ必要はありません。

「今日はこれを整理しよう」「次はあれを整理しよう」といった具合に、日々少しずつ進めていくことも大切です。また、リラックスした気分で親子で行うこともおすすめです。

2-6. 価値のあるモノはリストにする

自分が最後に本当に残したいと思うモノの中にある「価値のあるモノ」の取り扱いについて説明しておきます。

たとえば、時計や貴金属、金やダイヤ、着物やカメラなどは、どこに収納してあるかメモしておくと良いでしょう。

また、コレクション品や家族には価値がわかりにくいモノについては、そのまま処分されてしまわないように解説を残しておくことをおすすめします。

ここまで、生前整理の進め方について紹介してきました。このやり方を知っておけば、生前整理を効率よく行うことができます。

3. 終活の一環として生前整理を開始!

生前整理の最大の目的とは、本当に残したいモノだけを選びながら不用品を処分し、遺品整理の負担を軽減していくことにあります。

そこで「残された家族の負担軽減」という視点に立ち、モノや財産の整理にとどまらず、終活の一環としてやっておきたい生前整理についてもまとめてみました。

  • 生前整理で大切なモノや財産を再確認し、不用品は処分
  • 保険を見直してみて、不要なモノは解約する
  • 年齢によってはお墓についても検討する
  • 年齢によっては葬儀の生前予約についても検討する
  • 生前に遺影を残しておく
  • デジタルデータも生前整理する

それでは、モノだけでない生前整理についても詳しく紹介します。

3-1. 生前整理で大切なモノや財産を再確認し、不用品は処分

家に溢れてしまったモノを仕分けるための生前整理を始めてみましょう。そして、本当に残したいモノや財産を再確認できたら、次は不要となったモノの処分についても考えてみてください。

不用品の処分については「捨てる」という方法のほかに、リユースできるものについては「あげる」「売る」といった方法が考えられます。ここでは売る場合について、フリマアプリや宅配買取サービスなど便利なサービスを紹介します。

メルカリ|スマホアプリであらゆるアイテムを簡単に処分

メルカリは、毎月約1200万人が利用しているスマホアプリです。使って誰でも気軽にフリマが楽しめるため、不要となったありとあらゆるモノを簡単に売ることができます。

大抵の場合、買取業者に依頼するよりも高値で売れることが多いため、少しでも高く売りたい方はチャレンジしてみる価値ありです!

←スマホの方はスクロールできます→

社名 株式会社メルカリ
対応エリア全国
公式ページhttps://www.mercari.com/jp/
口コミ・評判
見てすぐ分かるほどの処分をメルカリだけでするには時間かかります
(^_^;)が、手放したいけど、捨てるのは……というものの処分には納得いきます¥
断捨離が目的なので、売るためのセールストークというよりは
自分自身に期限をつけるために期限つけて出品してます
その日までに売れなかったら、本当に不要なのだ……と諦めもつけてサヨナラします!
リサイクルショップで売るよりは納得いく金額にはなってますね
一番の効果は、それからの買い物が変わりました
ホントに欲しいモノだけでいいって。
無駄買いは確実に減りました

出典:メルカリボックス

ブランディア|取り扱いブランド多数!多少のダメージもOKの宅配買取サービス

ブランディア

ブランディアは、発送用の梱包キットから、配送料や査定料、振込手数料まですべて無料の宅配買取サービスです。

ブランド服やブランドバッグ、貴金属やダイヤモンド、時計などを中心に約7,000ブランドの買取に対応しており、多少のダメージでも買取OKです。

←スマホの方はスクロールできます→

社名株式会社デファクトスタンダード
対応エリア全国
公式ページhttps://brandear.jp/
口コミ・評判
町のリサイクルショップも利用していましたが、
重たい荷物を必死に運び込んでも割合わない査定額を
付けられてしまいとても残念な気持ちになることが
多かったです。混雑していると結構待たされる時もありますし。
その点貴社は自宅に居るだけで全てクリアしているので
とってもラクです。

出典:ブランディアHPお客様の声

不用品のお得な処分法について詳しく知りたい方はこちら!:「今すぐできる断捨離|作業効率をアップする効果的なやり方を徹底解説

3-2. 保険を見直してみて、不要なモノは解約する

現在、加入している保険についても見直してみることをおすすめします。年齢とともに入っていてもあまり意味のない保険も中にはあるかもしれないからです。

また、不要な保険を解約することで、今まで払ってきた保険金が戻ってくることがあります。これを解約返戻金といいます。主に終身保険や、養老保険、学資保険などにある制度です。

保険の見直しをしてみたいけれど、やり方がよくわからないという方は下記の無料相談を利用してみてはいかがでしょう。

保険見直しラボ|保険の見直しを考えている方におすすめの無料相談サービス

保険見直しラボは、全国に約70拠点ある訪問相談を中心とした、無料保険相談サービスです。希望する場所にコンサルタントが来てくれるため、店舗まで行くのが難しい場合などにもおすすめです。

また、特定の保険会社にこだわることなく、多くの商品の中からその人に合った保険の提案をしてくれます。さらに、複数社を取り扱っているからこそのオーダーメイド保険の提案も可能です。

←スマホの方はスクロールできます→

社名株式会社Jリスクマネージメント
対応エリア全国約70拠点
公式ページhttps://www.hoken-minaoshi-lab.jp/
口コミ・評判
若い頃に知り合いに言われるがまま入った保険があり、毎月結構な金額になってました。
子供も産まれるので見直ししたいと思い、口コミが良かったこちらへ。
若い方でしたが、こちらの希望金額に沿った提案でとても丁寧に答えて貰いました。
今まで払っていた保険がどれだけ高かったのか知り、自分達の保険料は下げて、子供2人の学資保険など相談し、今までよりプラス5千円で学資保険まで契約できました。
本当良かったです。
担当の方曰く、5年以上保険に携わった人しか働かないらしく、詳しい方が多いと聞きました。
担当の方もとても丁寧で雰囲気もよく、今度は自動車保険もお願いしたいと感じました。

出典:みんなの評判ランキング

保険の見直しについて詳しく知りたい方はこちら!:「もう迷わない!生命保険のおすすめ9選【2020年最新版】

3-3. 年齢によってはお墓についても検討する 

生前整理に取り組む年齢が60歳以降の場合には、お墓の購入も視野に入れておくと良いでしょう。生前にお墓を建てることを仏教では「寿陵」と言い、とても縁起が良いものとされています。

さらに、生前にお墓や仏壇を購入しておくと相続税が免除されるため節税になります。また、残された家族が墓石を購入する金銭的、精神的負担を軽減させることができます、そのほかにも、自分にとって満足のいく墓石を選ぶことができるでしょう。

それでは、お墓を購入する際におすすめの石材店を2つ紹介しておきます。

株式会社千鳥|低価格でありながら墓石に特化した独自サポートが特徴

株式会社 千鳥

株式会社千鳥では、45万円からの墓石購入が可能です。全国に10店舗を展開していますが、営業所が遠い方でも、出張費は企業負担ですので気軽に問い合わせてみましょう。

また、金利0%、手数料0円、銀行審査や保証人不要の「真心墓石ローン」をはじめ、墓石のレンタルなど、墓石に特化したサービスが揃っています。

←スマホの方はスクロールできます→

社名 株式会社千鳥
墓石の価格帯45万円~
対応エリア全国(10店舗) 
公式ページhttps://ishiyachidori.com/
口コミ・評判
デザインも石の種類も高級感のあるお墓がいいとの思いで見つけたのが、石屋千鳥さんです。想像以上の高級感で、こちらにしてよかったと満足しております。実は他店で決めようと思い、こちらは参考見積をお願いしたのですが、これだけの品質にも関わらず、金額が安かったのです。予算よりも安かったので、石の種類をワンランク上にすることもできました。

出典:墓石の価格が安い東京の石材店比較ナビ

カタログは無料で取り寄せられるので、資料請求してみましょう。

イオンのお葬式|低価格な墓石と幅広いサービスが魅力

イオンのお葬式

イオンのお葬式では、48万円から墓石の購入が可能です。また、全国各地で、電話やネットによるサポートが受けられます。

墓石は、16種類の石と6種類のデザインの中からセット価格で選ぶことができるほか、全ての墓石が10年保証に対応しています。さらに、完成後のアフターフォローも充実しています。

←スマホの方はスクロールできます→

社名 イオンライフ株式会社
墓石の価格帯48万円~
対応エリア全国 (Web販売のみ)
公式ページhttps://www.aeonlife.jp/
口コミ・評判
ご担当いただいた方が大変誠実かつきめ細かい配慮が出来た方で、本当にお願いして良かったと思っております。高品質なものを出来るだけ低価格でというイオンの精神が十分に発揮されているものを感じました。

出典:葬儀の口コミ

お墓の購入について詳しく知りたい方はこちら!:「失敗しない墓石の選び方|終活初心者にも分かるおすすめの石材店

3-4. 年齢によっては葬儀の生前予約についても検討する

葬儀についても「家族に費用の負担をさせたくない」「自分の葬儀なのだから納得のいくものにしたい」という方は、葬儀の生前予約を検討してみるのも良いでしょう。

葬儀社に葬儀の内容や希望について生前に相談しておくことで、納得のいく葬儀をおこなうことができます。加えて、葬儀費用も把握しておくことができます。

生前予約の際には、家族にもその内容について同意を得ておくとスムーズな葬儀につながります。

よりそうのお葬式|業界最安値、費用を抑えたいなら!

よりそうのお葬式は、見積もり以上の追加費用が一切ないと宣言していて、業界最安値の定額葬儀プランを提供しています。

生前予約については「お葬式予約」というプランを用意しており、138,000円より葬儀を選ぶことができます。また、納骨がない方に向けて、海洋散骨や永代供養の予約も可能です。

社名株式会社よりそう
提携葬儀場数3,000か所
最低葬儀価格118,000円~
対応エリア46都道府県(山形非対応)
公式ページhttps://www.yoriso.com/sogi/

口コミ・評判
ネットで調べて初めてお願いしたが、ほんとうにシンプルで、スタッフも感じが良かった。不満はいっさいありません。スタッフの対応や施設、金額について一切不満はありません。とにかく本当にシンプルでとてもよかったので、次何かあったらぜひお勧めしたいです。

出典:葬儀の口コミ

よりそうのお葬式について詳しく知りたい方はこちら!:「騙されるな!100人の評判と口コミでわかった『よりそうのお葬式』のリアルな評判

小さなお葬式|業界最大手、小規模のお葬式ならこれ!

小さなお葬式は、小規模の葬儀に特化しており、低価格で、必要最小限の葬儀を行いたい方におすすめのサービスです。

生前予約をする際、喪主がいる場合には14万円からのプランが選べます。事前に支払う料金についても、信託会社・弁護士が管理するため安心して任せることができます。

社名株式会社ユニクエスト
提携葬儀場数4,000か所
最低葬儀価格129,000円~
対応地域全国(一部離島を除く)
公式ページhttps://www.osohshiki.jp/

口コミ・評判
こちらの希望をできる限り聞いてもらえ、料金もとても良心的だと思った。葬儀後のお返しや戒名・位牌などの相談も丁寧に乗ってもらえ、助かりました。お勧めできる葬儀社だと思う。

出典:葬儀の口コミ

小さなお葬式について詳しく知りたい方はこちら!:「騙されるな!100人の評判と口コミでわかった『小さなお葬式』のリアルな評判

3-5. 生前に遺影を残しておく

遺影についても考えておく必要があります。あなたにもしものことがあった時、残された家族の方は通夜までにあなたの最後の写真を選ばなくてはなりません。

昔の写真やスマホの中にある写真の中から記憶に残る一枚を探すのは時間のかかる作業です。そうした負担をかけないためにも、自身が納得できる写真を選んでおくか、撮影しておくことをおすすめします。

生前に遺影を残す方法について下記にまとめておきます。

<生前に遺影を残す方法>

  • 納得のいく写真を自分であらかじめ選んでおく
  • 写真スタジオに依頼して撮影してもらう
  • 遺影写真の有無についてエンディングノートに残す

3-6. デジタルデータも生前整理する

モノだけにとどまらない生前整理について見てきましたが、最後に、デジタルデータの生前整理についても紹介しておきます。

近年の遺品整理で家族を悩ませてしまうのが、PCやスマホなどに保存されているデータです。これらをデジタル遺品と呼びますが、インターネットサービスやLine、SNSやブログといったデジタルアカウントなども含まれます。

特にデジタルアカウントについては、そのまま永久に残ってしまうため、最悪の場合、悪用されてしまうこともあるかもしれません。そのためにも事前に整理し、必要なIDやパスワードについてはエンディングノートなどに書き残しておくことが大切です。

<整理しておきたいデジタル遺品>

  • PCやスマホ、外付けHDDなどのデータ
  • ネットショッピングやオークションのアカウント
  • LineやSNSのアカウントやデータ
  • ブログやホームページのアカウントやデータ
  • 有料サイトのアカウント
  • メールのアカウント など

上記のデジタルデータやアカウントを再度見直し、不要なモノは削除しておきましょう。

4. 生前整理がはかどる2つのコツ

生前整理の一番の目的は残された家族の負担を減らすことです。加えて、相続におけるトラブルを回避することも大切な目的のひとつになります。

でも、整理だけしっかりしても「何がどこにあるのか?」「資産はどんなものがるのか?」など、大切なことが家族に伝わらなければ意味がありません。

そのために、エンディングノート遺言書が役立ちます。ここでは、生前整理を行う中でエンディングノートに記したい内容や、遺言書に生かしたい内容について詳しく解説していきます。

4-1. エンディングノートに記しておきたいこと

エンディングノートには、自分史をはじめ家族や友人へのメッセージなど、様々なことを自由に書き残すことができます。さらに、生前整理という視点から見た場合には、書き残すことで「家族の負担が軽減できる」ことが多くあります。

そこで、生前整理の際にエンディングノートに書き残したいことについてまとめてみました。

<エンディングノートに残したい7つのこと>

  • 大切なモノの収納場所について
  • 相続の対象となる資産について
  • 価値の分かりにくいモノについて
  • 加入保険について
  • 葬儀について
  • 遺影について
  • デジタル遺品について

上記の7つのポイントについて詳しく見ていきましょう!

大切なモノの収納場所について

たとえば「自分が最後まで残したいと思ったモノ」の中には、時計や貴金属、金やダイヤ、着物やカメラなどのように価値のあるものも含まれているかと思います。

こうした「大切なモノ」や「家族に引き継いでほしいモノ」については、どこに何を収納してあるのか書き残してしておくと遺品整理がはかどるでしょう。

相続の対象となる資産について

自分の資産についても再確認したら、まずはエンディングノートに記しておきましょう。資産とは、銀行の預貯金や不動産、株などを指します。

中でもFX取引などを行っていた場合、死後に発生したものであっても、追証の支払義務が相続債務になるので、必ず書き残しておくべきです。さらに、借金などのマイナスの資産もしっかり記載しておきましょう。

価値の分かりにくいモノについて

生前整理で残したモノの中には、自分にとって大切なコレクションや骨董品など、家族にとっては価値のよく分からないモノがあるかもしれません。

価値が分からないからと、そのまま処分されてしまうことがないように、それぞれの価値や詳細について分かる範囲でもいいので書き残しておきましょう。

加入保険について

現在、加入している保険についても、あなたの死後に遺族は様々な手続きを行うことになります。そのため、生命保険など死亡保険金があるものだけでなく、自動車保険国民健康保険などすべての保険を記載することが大切です。

また、保険金があるものについては、保険証券の収納場所や契約者の名前、受取人の名前も必ず残しておくことをおすすめします。

葬儀について

自分の葬儀についての希望も書き残しておくと遺族の負担軽減につながるはずです。たとえば「葬儀を行うかどうか」「葬儀の規模や形式」をはじめ、「喪主や施主をお願いしたい人の連絡先」「葬儀の費用に関する預貯金や収納場所」などがあると良いでしょう。

また、葬儀の生前予約をしている場合には、その会社名や連絡先、支払いの有無、契約書の収納場所なども書き残しておくとスムーズに葬儀が行えます。

さらに「海に散骨してほしい」などの希望があれば、しっかりと書き記しておきましょう。

遺影について

遺影については「その有無」「遺影がある場合にはその収納場所」を残しておくと良いでしょう。

ただし、遺影がある場合には、家族の負担は「少し」または「なし」になるはずですが、遺影がない場合には「大きな負担」となってしまうでしょう。1枚だけでもお気に入りの写真を選んでおくことをおすすめします。

デジタル遺品について

デジタル遺品については、残された家族がスムーズに整理を行うためにも、ぜひ書き残しておきたいものです。

まずは「PCやスマホを使用するためのパスワード」をはじめ、「LineやSNSのアカウント」「各種ネットサービスのアカウント」「ブログやホームページのアカウント」「各種有料サイトのアカウント」などは必須です。

エンディングノートの書き方ついて詳しく知りたい方はこちら!:「今日から始められるエンディングノート|書き方からおすすめまでを徹底解説

4-2.  生前整理を通じた遺言書の活用法

エンディングノートに資産について書き残すことは大切なことですが「それを誰が相続するのか?」といった相続の仕方については、遺言書に残すことで相続問題のトラブルを防ぐことにつながります。

なぜなら、エンディングノートと遺言書の違いとして「遺言書には法的な効力がある」「エンディングノートに法的な効力はない」からです。

ここでは、相続に関する自分の思いを実現するために、法的効力のある遺言書の種類や注意したいポイントについて紹介しておきます。

<遺言書を作成する際に気を付けたい5つのポイント>

  • 遺言書には3つの種類がある
  • 遺言内容に関して理由を付言する
  • 相続財産の遺留分を無視しない
  • 遺言執行者を指定しておく
  • 不測の事態にも備えておく

上記の5つのポイントについて詳しく見ていきましょう!

遺言書には3つの種類がある

遺言書には「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」といった3つの種類があります。また、近年では「自筆証書遺言」「公正証書遺言」が一般的な作成方法として利用されています。

遺言書にはそれぞれに書き方が決まっており、手順を間違えて書いてしまった場合は法的効力を持たないため、十分な注意が必要です。

遺言内容に関して理由を付言する

遺言書で遺産相続について記載した際には、遺産分割の方法や意図について「なぜその結論に至ったのか」を付言しておくと良いでしょう。

付言は法的効力を持ちませんが、理由や意図が残されることで、家族の無用な争いを回避することに役立ちます。経緯の説明についてはしっかりと記載しておくことをおすすめします。

相続財産の遺留分を無視しない

遺留分とは、遺言書の内容に関わらず相続人に保障された一定割合の相続財産のことです。これを無視した遺言書を書く場合には、争いの種となるので注意しましょう。

もしも遺留分を無視した内容だった場合、相続人は遺留分相当の割合を主張できますが、遺言書自体も有効であるため、両者の間で争いが生まれることになるでしょう。

遺言執行者を指定しておく

遺言執行者とは、遺言の内容を実現させるための手続き行う人のことです。遺言書では、その執行者を指定することができます。

遺言執行者を指定する際には、弁護士や行政書士などを選んでおけば、しこりを残さずに手続きをスムーズに進めることができるはずです。

不測の事態にも備えておく

遺産を相続させたいと考えていた人が、遺言者より先に亡くなるなど、不測の事態にも備えて遺言書を書いておく必要があります。

たとえば、二次的遺言として、相続をさせたい人が亡くなった場合には「代わり誰が相続人になるのか」といったことを記しておくと良いでしょう。

こうしておくことで、無用な争いを回避することができるのです。

遺言書の書き方ついて詳しく知りたい方はこちら!:「もう迷わない!種類別遺書・遺言書の書き方と全知識

5. 親との生前整理を考える 

生前整理は、やりたいと思った時が始めるタイミングであり「20代や30代」「40代や50代」で始めることにも意味やメリットがあります。そして、親世代である「60代や70代、80代」にとっては、最も適したタイミングでもあります。

なぜなら、生前整理は思った以上に労力と時間を必要とするほか、判断力が衰えないうちに行う必要があるからです。

ここからは、40代、50代の子世代が、60代、70代、80代の親世代と一緒に取り組む生前整理について考えてみたいと思います。

  • 自分の体験談を伝えてみる
  • 小さなことから一緒に始めてみる
  • 親のことを知る機会が増える

上記の3つのポイントについて詳しく見ていきましょう。

5-1. 自分の体験談を伝えてみる

60代、70代、80代といった終活世代なら、生前整理について理解している人も多いかもしれません。しかし、具体的に取り組んでいないケースがほとんどではないでしょうか。

そんな親世代には「自身の生前整理体験」を通して、その必要性やメリットなどを伝えてみると良いでしょう。

なぜなら、遺品整理をするより生前整理をすることのほうが、誰にとってもはるかに意味のある事だからです。

5-2. 小さなことから一緒に始めてみる

簡単にできる生前整理を親御さんと一緒に始めてみてください。親御さんもはじめは何から始めたら良いか分からないはずです。

小さなことから生前整理の達成感を得ていくことで、親御さんにも勢いがつくはずです。また、実家の生前整理は時間がかかるものですが、しっかりとサポートしてきましょう。

さらに、一緒にエンディングノートを書いてみるのもおすすめです。親御さんの考えや希望を知ることができ、もしもの時に役立つはずです。

5-3. 親のことを知る機会が増える

親の生前整理をサポートする際は、親御さんがモノと向き合う時間を大切に考えて進めていきましょう。あまり無理に推し進めるのではなく「今日はここまで」と、エリアやアイテムを決めて、少しずつ進めると良いでしょう。

さらに、親御さんと一緒に仕分けを進めることで、親の宝物を知ったり子供の頃のことを知ったり、今まで見聞きすることのなかった親の人生に触れる機会も増えてくるはずです。

まとめ

生前整理の効率の良い進め方やメリット、終活的な視点から見た生前整理などについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

生前整理を始めるタイミングは、生前整理について気になり始めた時がベストですが、「まだ大丈夫」と思う人もいるかもしれません。

そんな時は、定年退職などをひとつのタイミングとして考えてみるのも良いかもしれません。

何はともあれ、ぜひ体が元気なうちに生前整理に取り組んでみてください。

この記事があなたの終活に役立つことを心から祈っています。

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