「相続に順位があるけど、私って何位なんだろう」「相続の際にどのくらい財産が分配されるのだろう」など、相続の順位について気になっていませんか。
遺産を分ける際に、相続の順位によって、相続の割合が決まっています。
そのため、自分の順位を知らないと、適切な相続の割合が分からず、財産を分ける際に損をする可能性もあります。
このページでは、税理士として100人以上の相続をサポートしてきた私が、相続の手続きについて、下記6点をご紹介いたします。
全て読めば、相続順位についてわかるのでぜひご覧ください。
結論:あなたの相続順位と相続の配分はこれだ!
あなたの相続順位は
あなたの被相続人との続柄 | 相続できるどうか | 相続の順位 |
配偶者 | ◯ | – |
子供 | ◯ | 第一順位 |
父母 | ◯ | 第二順位 |
兄弟姉妹 | ◯ | 第三順位 |
孫 | ◯ | 第一順位 |
祖父母 | ◯ | 第二順位 |
甥・姪 | ◯ | 第三順位 |
それ以外 | × | – |
- 配偶者は自動的に相続人になるため順位はないです
- 父母、祖父母は第一順位の子供・孫がいない場合に相続することが出来ます
- 兄弟姉妹、甥・姪は第二順位の父母・祖父母がいない場合に相続することが出来ます
- 孫は子供がすでになくなっている場合に相続することが出来ます
- 祖父母は父母がすでになくなっている場合に相続することが出来ます
- 甥・姪は兄弟姉妹がすでになくなっている場合に相続することが出来ます
配分はあなたが配偶者の場合、以下のようになります。
配偶者以外の相続人がいない場合 | 第一順位が相続人の場合 | 第二順位が相続人の場合 | 第三順位が相続人の場合 |
1 | 1/2 | 2/3 | 3/4 |
あなたが配偶者以外の配分は以下のようになります。
あなたの相続順位 | 配偶者がいる場合 | 配偶者がいない場合 |
第一順位 | 1/2 | 1 |
第二順位 | 1/3 | 1 |
第三順位 | 1/4 | 1 |
- 同じ順位に相続人が2人以上いる場合は、この割合を人数分で分けます
この相続順位や配分を考える時に、法定相続人について理解しないと、誰に相続の権利があるのかがわからないので、次章から詳しく紹介します。
1.法定相続人とは
法定相続人とは、民法の規定で定められた相続人のことです。具体的には、配偶者や親族が該当し、この法定相続人に相続権が付与されます。
ただし例外として、亡くなられた方が、遺言書を作成していた場合、法定相続人以外の方にも遺産相続をすることが可能です。
この遺言書がない場合、法定相続人同士で話し合いが行われ、相続する遺産の割合を決めます。
2.法定相続人の範囲と相続順位
法定相続人には適応される範囲と相続の優先順位が決まっています。その範囲と順位をまとめるとこのようになります。
まず、亡くなった方の配偶者はいかなる場合であっても法定相続人になります。
配偶者以外の親族に関しては、相続順位が決められています。第一順位は子供、第二順位は親、第三順位は亡くなった方の兄弟や姉妹です。
配偶者がいない場合は、順位が高い親族のみが法定相続人になります。
逆に配偶者がいる場合は、配偶者と順位が高い親族が法定相続人になります。
次に、それぞれの順位で法定相続人になるケースについて紹介します。
2-1.第一順位
亡くなられた方の子供が第一順位になります。亡くなられた方に親や兄弟、姉妹がいたとしても、子供が法定相続人になります。
配偶者と子供がいる場合は、配偶者と子供が法定相続人に、配偶者がいなくて、子供のみの場合は、子供だけが法定相続人になります。
また、子供がすでに亡くなっている場合、孫が代わりに法定相続人になります。このように、代わりに相続人になることを代襲相続といいます。孫がいない場合は、そのひ孫といったように、下へ下へと続いていきます。
2-2.第二順位
亡くなられた方の親が第二順位になります。亡くなられた方に子供や孫がおらず、親がいる場合は、その親が法定相続人になります。
配偶者と親がいる場合は、配偶者と親が法定相続人に、配偶者がいなくて、親のみの場合は、親だけが法定相続人になります。
また、第一順位の時と同じように、すでに親が亡くなっている場合は、祖父母が代わりに法定相続人になります。
第二順位の場合も代襲相続が行われ、上へ上へと続いて行きます。
2-3.第三順位
亡くなられた方の兄弟姉妹が第三順位になります。亡くなられた方に子供や孫、親や祖父母などがいない場合、兄弟姉妹が法定相続人になります。
配偶者と兄弟姉妹がいる場合は、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人に、配偶者がいなくて、兄弟姉妹のみの場合は、兄弟姉妹だけが法定相続人になります。
また、兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合、甥や姪が法定相続人になります。しかし、第三順位の場合は、代襲相続が1代のみなので甥や姪の子供は法定相続人にはなりません。
ここまでが相続順位についての紹介でした。次にそれぞれの相続人でどのくらい割合で相続できるのかについて紹介します。
3.法定相続分の割合
まず、それぞれのパターンでの法定相続分の割合を以下の表にまとめました。
法定相続分の割合を考えるとき、大きく2つに分けて考えます。それは、この2つです。
- 配偶者がいない場合
- 配偶者がいる場合
3-1.配偶者がいない場合
配偶者がいない場合はとても簡単です。相続人の中で一番順位の高い相続人が法定相続人になり、その人数で均等に割ります。
例えば、相続人に子供が3人いた場合、子供が第一順位になるので、法定相続人になります。この場合は3人いるので、子供1人につき、3分の1ずつ相続します。
3-2.配偶者がいる場合
配偶者がいる場合は複雑になります。まず、配偶者の相続分ですが、組み合わせによって異なります。
配偶者と子供が法定相続人の場合、相続分は2分の1、親の場合は3分の2、兄弟姉妹の場合は、4分の3になります。
そして、残りの割合をその順位の人数で均等に割ります。子供の場合は2分の1を、親の場合は3分の1を、兄弟姉妹の場合は4分の1になります。
4.相続順位のよくあるパターン8選
次に相続順位や、法定相続の分割でよくある8つのパターンを紹介します。8つのパターンは以下になります。
- 配偶者と子供が相続する場合
- 配偶者と親が相続する場合
- 配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹が相続する場合
- 配偶者のみが相続する場合
- 配偶者が不在で子供が相続する場合
- 配偶者が不在で子供と孫が代わりに相続する場合
- 配偶者と祖父母が相続する場合
- 配偶者と亡くなった方の甥や姪が相続する場合
今回は遺産の総額が2400万円と仮定して計算します。
4-1.配偶者と子供が相続する場合
法定相続分による割合
配偶者:1/2 (1200万円)
子供:1/4 (600万円)
子供:1/4 (600万円)
4-2.配偶者と親が相続する場合
法定相続分による割合
配偶者:2/3 (1600万円)
父:1/6 (400万円)
母:1/6 (400万円)
4-3.配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹が相続する場合
法定相続分による割合
配偶者:3/4 (1800万円)
兄:1/4 (600万円)
4-4.配偶者のみが相続する場合
法定相続分による割合
配偶者:1 (2400万円)
4-5.配偶者が不在で子供が相続する場合
法定相続分による割合
子供:1/2 (1200万円)
子供:1/2 (1200万円)
4-6.配偶者が不在で子供と孫が代わりに相続する場合
法定相続分による割合
子供:1/2 (1200万円)
孫:1/2 (1200万円)
4-7.配偶者と祖父母が相続する場合
法定相続分による割合
配偶者:2/3 (1600万円)
祖父:1/6 (400万円)
祖母:1/6 (400万円)
4-8.配偶者と亡くなった方の甥や姪が相続する場合
法定相続分による割合
配偶者:3/4 (1800万円)
甥:1/4 (600万円)
5.法定相続人を決めるにあたっての注意6つ
法定相続人を決めるにあたって注意してほしい点が6つあります。
- 内縁の妻もしくは愛人の間に子供がいた場合
- 養子縁組を行った場合
- 法定相続人が行方不明の場合
- 法定相続人がいない場合
- 法定相続人が相続放棄をした場合
- 相続欠格や相続人廃除がいる場合
それぞれ紹介します。
5-1. 内縁の妻もしくは愛人の間に子供がいた場合
内縁の妻、もしくは愛人の間に子供がいた場合、認知されていれば、法定相続人になることができます。
内縁の妻とは、戸籍上では婚姻関係がない妻のことです。この内縁の妻自体は法定相続人になることができません。
また、ここで注意していただきたいのは、再婚相手などの連れ子は、法定相続人にはなることはできません。
5-2. 養子がいる場合
養子は実の子供と同様に、法定相続人になることができます。
養子とは、養子縁組によって、子供となった者をいいます。この養子縁組によって、親子関係にない人と法律上で親子関係を築くことができます。
5-3. 法定相続人が行方不明の場合
遺産を相続人で分割する際には、法定相続人全員で話し合って決まる必要があります。もし、その中の法定相続人の中に行方不明者がいる場合、申し立てを行う必要があります。
7年未満の間、行方不明の場合は、不在者財産管理人という代理人を選任します。7年以上の場合は、失踪宣告を申し立てを行います。
これらを行うことによって、行方不明の法定相続人を抜いた、他の法定相続人全員で遺産分割の分け方を決めることができます。
5-4. 法定相続人がいない場合
法定相続人がいない場合、家庭裁判所が相続財産管理人を選び、この財産管理人が相続人を探します。
もし一定期間、法定相続人が見つからなけらば、その財産は国庫に帰属し、国の財産になります。
5-5. 法定相続人が相続放棄をした場合
法定相続人が、遺産の相続権を放棄した場合、その法定相続人は最初からいなかったものとして扱います。
例えば、法定相続人が子供2人の場合、そのうちの1人が、相続放棄をした場合、子供1人が法定相続人になります。
また、第一順位の子供が1人のみの場合に、その子供が相続放棄したときは、第二順位の親が法定相続人になります。
第二順位の場合も同様で、法定相続人である親が1人のみで、相続放棄をした場合は、第三順位の兄弟姉妹が法定相続人になります。
5-6. 相続欠格や相続人廃除がいる場合
相続欠格や相続人廃除の方がいる場合、その方は法定相続人になることができません。
相続欠格とは、相続に関する法律を相続人が犯した場合、相続人の資格がなくなることです。例えば、亡くなった方の遺言書の偽装や破棄、隠蔽などがこれに当たります。
相続人廃除とは、亡くなった方が相続人を廃除するとことです。
廃除されるケースとしては、その相続人から虐待などを受けていた場合などです。この場合、亡くなった方が生前もしくは遺言書で、申し立てを行います。
まとめ
改めて相続の際には以下の6点に注意しましょう。
- 内縁の妻もしくは愛人の間に子供がいた場合
- 養子縁組を行った場合
- 法定相続人が行方不明の場合
- 法定相続人がいない場合
- 法定相続人が相続放棄をした場合
- 相続欠格や相続人廃除がいる場合
ここまでで、すでに分割協議を行っている場合は、自分の相続分が正当なのか計算してみましょう。もし、相続の割合に納得がいかないときは弁護士や税理士に相談することをおすすめします。
この記事では、おすすめの弁護士・税理士探しのサービスを紹介しているので参考にしてください。
6.弁護士・税理士探しのおすすめサービス3選
まず、弁護士と税理士を探す前にそれぞれがどの手続きを代行してくれるのか知っておく必要があります。
以下にまとめました。
それでは、それぞれの業務範囲が分かったうえで、弁護士と税理士を探すためのおすすめサービスをご紹介いたします。
6-1.弁護士ドットコム
※「弁護士ドットコム」より
『弁護士ドットコム』は日本最大級の弁護士検索ポータルサイトです。
弁護士の3人に1人が登録している、弁護士情報サービスで、取扱分野や営業時間・お支払い方法など、様々な条件で弁護士を探せます。
また、弁護士の見積りも、一度に複数の弁護士に依頼できます。見積りには、トラブルに対して弁護士が何をしてくれるのか、どれくらいの費用が必要なのかが記載されています。
6-2.税理士紹介エージェント
※「税理士紹介エージェント」より
『税理士紹介エージェント』は何度でも無料で税理士を紹介してもらえる税理士紹介サービスです。
特徴としてはご提携している、税理士に担当エージェントがインタビューを行い、人柄・知識・経験などを審査した上で紹介してくれます。
また、顔合わせの際にエージェントが同行してくれたり、代わりに価格交渉もしてくれます。さらに契約後のアフターフォローや相談も無料で行うことができます。
6-3.税理士ドットコム
※「税理士ドットコム」より
『税理士ドットコム』は『弁護士ドットコム』が運営している、税理士の無料紹介サービスです。
税理士を探す際には、専属のコーディネータがいて、地域・予算・税理士への希望をコーディネーターに伝えると、最短で当日中に、条件に見合った税理士を紹介してもらえます。
また、登録している税理士の数は4,000人を超えており、コーディネーターが複数の税理士に相見積りをとることができます。その上で、費用の交渉もサポートしてくれます。
最後に
亡くなった方の配偶者はいかなる場合であっても法定相続人になります。
配偶者以外の親族には相続順位が決められています。第一順位は子供、第二順位は親、第三順位は亡くなった方の兄弟や姉妹です。
法定相続分は、第一順位の子供が2分の1、第二順位は3分の1、第三順位は4分の1です。同じ順位に複数人いる場合は、割合を人数分で割った割合が法定相続分になります。
今の段階で割合に納得がいかない場合は、弁護士や税理士に相談することをおすすめします。
最後に弁護士・税理士探しのおすすめサービスは以下の3つです。
あなたが最高の人生を送れることを陰ながら祈っております。
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